ヘビギンポ博物誌
2007年05月11日
シマヒレヘビギンポが分った!ヽ(^◇^*)/ ワーイ
ようやくシマヒレヘビギンポが分りました。
シマヒレヘビギンポは近似のセグロヘビギンポとよく似ていて、その識別がイマイチできなかったのですが、ようやく見分けられるようになりました。
検索などに載っているように腹ビレには縞々がハッキリと入っているのですが、これは成長した個体に限られるようで、若く小さな個体には入っていない、もしくは目視では厳しいかもしれません。
いずれにしても水中観察ではこの腹ビレを確認するのはなかなか難しいかと思います。。。(-_-;)
でも大丈夫!
シマヒレヘビギンポは基本的な体色がセグロヘビギンポとはまったく違います。
横位置で見た時にハッキリと上下で模様が分かれており、上部には4-5の白い鞍状斑があり、下部にはこの白い鞍状斑と互い違いに白い斑紋が3-4個並んでいます。
これを水中で見ると「砂色」の体色で、このヘビギンポは下地に薄く砂が轢かれたような浅い岩場で見られるので、完全に周りの環境に同化しています。
これは最初、環境によってコロコロかわる体色だと思っていたのですが、そうではないようです。
どんな環境でもこの基本的な体色は変わりません。
まぁ、言葉で言うよりも、実際に何枚も写真を見てもらった方がいいかも。。。(笑)
↓
シマヒレヘビギンポ(Enneapterygius mirabilis) / ヘビギンポのデータベース ヘビベース!: DataBase
これまでセグロヘビギンポとして分類していた石垣島の次の2点の写真も今回、シマヒレヘビギンポとして分類し直しました。
シマヒレヘビギンポ / ヘビギンポのデータベース ヘビベース!: DataBase
シマヒレヘビギンポ / ヘビギンポのデータベース ヘビベース!: DataBase
さて、更に今現在、セグロヘビギンポとしてdatabaseに登録してある写真のうち、何点かは別の種類である可能性が強いと思っています。
引き続き、調査続行しま~す♪
2007年01月05日
もう1種ヨゴレヘビの仲間がいた!(-_-;)
昨年「ヨゴレヘビギンポ」と呼ばれているヘビギンポについて、東日本を中心に分布するのがヨゴレヘビギンポ、鹿児島以南に分布するのはアヤヘビギンポである事が証明されましたが(⇒ヘビベース!: REPORT: ヘビギンポ博物誌: アヤヘビギンポの論文)、なんともう1種増えそうです。。。(-_-;)
同じく昨年、石垣島のDivemanさんより婚姻色時、胸ビレが赤く染まるヨゴレヘビ系のヘビギンポの写真を送って頂いたのですが、何者なのか解らずひとまず「アヤヘビギンポ」に分類していました。
ところが南アフリカのクロマスク属を研究しているWouter Holleman氏という方が、この写真の子はHelcogramma randalliではないか?とのご指摘を頂きました。
FishBaseには写真がありませんが(⇒Helcogramma randalli)、他で入手したHelcogramma randalliの写真からはひとまず胸ビレは赤く染まるようです。
いずれにしても、この子は明らかにヨゴレヘビギンポやアヤヘビギンポとはまったく異なる婚姻色(胸ビレが赤い)を示すため、ヘビベース!では別種として扱いたいと思います。
ある程度解ってくるまで当面は「赤ヒレ(Helcogramma sp.1)」と呼び、クロマスク属(Helcogramma)に「赤ヒレ(Helcogramma sp.1)」を新設し、そこに一連の写真を移しました。
Divemanの内田さんによると、このヘビギンポは決して珍しい種類ではなく、石垣島では特定のポイント(御神崎)の超浅場でよく見られるヘビギンポだそうです。
このヘビギンポについて何か情報や写真をお持ちの方がいましたら、連絡をくださーい!
お願いしま~す♪
こうしてみると通常体色時のオスを見ても、ヨゴレやアヤとは全然違うヘビギンポですね。。。(-_-;)⇒
ちなみに僕もそれなりに調べていたのですが、Red triplefinの英名を持ち婚姻色時のオスの胸鰭が赤いHelcogramma steinitziなる種類がいます。(⇒Helcogramma steinitzi)
しかしRed triplefinは分布が紅海の方まで及ぶのでちょっと厳しいなぁ。。。(笑)
でも、調べてみるとこのヨゴレ系のヘビギンポの中には胸ビレが赤くなるやつって結構いるみたい。。。(-_-;)
2006年10月03日
また謎の婚姻色。。。(-_-;)
クレナイヘビギンポ登場!
ゆきおかさんより、「IOP DIVING NEWS」 Vol.13 No.12の表紙で使われたクレナイヘビギンポの写真を提供して頂きました!ヾ(〃^∇^)ノわぁい♪
更に別カットをもう1枚。。。
また1種生態写真が増えて、より「ヘビベース!」が充実しました。
ありがとうございま~す♪
クレナイヘビギンポ 【発表年月日】 2002.6.20 【学名 命名者, 発表年】 Enneapterygius rhabdotus Fricke, 1994 【標準和名(科名)標本産地】 クレナイヘビギンポ(ヘビギンポ科)与那国島 【文献】 吉郷・吉野 (2002) I.O.P. Diving News 13(7): 2-4.
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2006年09月27日
口之永良部島のお洒落?
2006年06月15日
和名エリマキヘビが新称された時の論文
2006年06月14日
エリマキヘビギンポの原記載論文中の写真
Hioさんがエリマキヘビギンポ(Enneapterygius flavoccipitis) の原記載論文中の写真をコメント中に貼ってくれたのですが(ヘビベース!: 凄いヘビギンポ発見!)、表示されないのでここで紹介します。
↓
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2006年06月11日
凄いヘビギンポ発見!
先日、屋久島島内の同業者から「これ何ヘビギンポ?」と1枚の写真を見せられた。
何じゃ~!!!こりゃ~!!!!
ぶったまげた!
こ、これって完全に未記載種っすよね。。。(-_-;)
頭部のみ蛍光イエロー、あとは真っ黒!
これは婚姻色なのだろうが、こんな婚姻色のヘビは見たことがないっ!
2匹いて、これが追いかけっこしてたらしい。。。
場所は屋久島の隣・口之永良部島のある港の港内。
時間は早朝4-5時との事。
いや~驚いた。。。
早速、口之永良部島に渡って通常状態のこいつを見に行きたいのだけど、なかなか。。。
(。>0<。)ビェェン 婚姻色シーズンが終わっちゃうよぉ~!!!
誰か口之永良部島に連れてって~!!!!
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2006年06月03日
アヤヘビギンポの論文
例のアヤヘビギンポとヨゴレヘビギンポを整理した論文です。
日本魚類学会員ではない方のために、PDFを添付しておきます。
説明するのもややっこしい事になっていますので(笑)、ご自分でご一読してみてください。
まだまだヘビギンポの世界はこうした事が頻繁に起きそうですね。
楽しみだなぁ~♪
2006年04月13日
ニセヘビギンポ属の幼魚
先日、コクテンニセヘビかTheニセヘビか分りませんが、ニセヘビギンポ属の幼魚と思われる子を撮影しました。(一応、今のところコクテンニセヘビギンポに登録)
前からなぜ、まったく違うニセヘビギンポとセグロヘビギンポが混同されていたんだろう???と疑問に思っていましたが、ようやく納得しました。。。
に、似てる。。。(-_-;)
セグロヘビギンポの成魚ステージとクリソツやん!!!(特に右写真の極小チビ)
左が1.5cmぐらい、右が1cm前後の子で別個体です。
環境は成魚同様、オーバーハングした暗がりです。
ちなみにセグロヘビギンポの幼魚はまったく違う雰囲気の子です。
これが上右写真のニセヘビと同サイズのセグロヘビギンポ。
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2006年03月16日
緊縛縄ヘビっ!(笑)
石垣島のdivemanさんより、またまた驚きの写真(友江さん撮影)を登録いただきました!
以下2枚がそうなのですが、
divemanさんの観察によると、これは以前に登録して頂いた下左の「不明種」の婚姻色である事は一目瞭然!
という事でこの3枚は新たに種を設けて、そこに登録し直しました。
体の痛々しい緊縛縄の跡が特徴的なので(笑)、「緊縛縄ヘビ(Enneapterygius sp.10)」とします。
情報交換の際は、この呼び名で統一しましょう。
(呼び方は「縄ヘビ」でもいいよ(笑))
このヘビギンポは外洋に面した潮通しのよい浅場(1-3m)に多いようです。
divemanさんの補足があればお願いします。
しかし、とうとう似たような婚姻色のヘビが増えてきましたね~
こいつなんて顔だけ見ると、口紅のはみ出し具合なんて「お洒落ヘビ」と同じやん!!(笑)
今までは、婚姻色が唯一、種を見分ける手がかりだったのに、今後は婚姻色でさえ似たものが多く苦労しそうですね。。。
ちなみにこの種類、縞ヘビ(Enneapterygius sp.6)と似ていますが、現場で観察するdivemanさんの指摘に従って、別種として扱います。
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2006年03月15日
スジ雄
ようやく沖縄方面で普通に見られる「スジ雄」を屋久島でも見つけました♪
このヘビギンポを見つけたのは島の南西部にある「栗生」というポイントなのですが、ここは島内でもっとも沖縄的な環境(隆起サンゴと白い砂で構成される地形)のポイントで、いつも僕が潜っている北部とはまったく違う環境です。
案の定、北部では見た事も無い「スジ雄」がすんなり見つかりました。
下左の写真は2.5cmぐらいでまさに「スジ雄」だと思うのですが、すぐ近くにひとまわり大きな赤いヘビギンポ(3cmぐらい)がいました。(下右)
「スジ雄」の特徴として、
・ 体色は赤っぽくて、横縞は鞍状でやや斜めに入る。
・ 腹部のみが白っぽいのが印象的
・ 尾柄部に黒いバンド、連続して次に白いバンド
・ 意外に小型のヘビギンポ(2.5cm-3cmぐらい)
などが挙げられるが、下右のヘビギンポにはそのような特徴があまりない。。。
一瞬、「赤ヘビか?」とも思ったが、同所的に似たような種類のヘビギンポが生活するだろうか?
いろいろ考えた末、こいつも「スジ雄」では?と思うのだけど。。。
しかも、これがオスでは?と予想しているのだが、産卵を見ない事にはなんとも言えない。。。
伊豆ダイバーの皆様、
このヘビギンポ、「赤ヘビ」ではないですよね???( ̄へ ̄|||) ウーム
2006年02月24日
2006年02月21日
沖縄ヘビ(Enneapterygius sp.3)
不明種撲滅・第2弾!!(笑)
divemanさんからの私信により、沖縄(正確には石垣島)のヘビ相が明らかになってきました。。。
下記写真のヘビギンポは伊豆~伊豆諸島~屋久島では見かけないヘビギンポですが、沖縄ではごくごく普通に見られるヘビギンポのようです。
超普通種らしいので、既存の種だとは思いますが、既存の種がよく分っていない現状では、種を特定する事ができません。
ひとまず、この種類を沖縄ヘビ(Enneapterygius sp.8)とします。
「沖縄ヘビ(Enneapterygius sp.8)」の定義は次の通りです。
沖縄の-3m前後の水域でごくごく普通に見られる赤っぽいヘビギンポ
要は浅場のヘビギンポです。
沖縄方面ではボートダイビングがメインなので、普通種にも関わらず浅場のヘビギンポがイマイチ解明されていないのが、なんか納得できます。。。
ちなみにdivemanさんによると、下記のま○子さんのヘビギンポ(現在、「お洒落ヘビ」として登録)もこの沖縄ヘビと同じ種類だと思うとの事なので、こちらも「沖縄ヘビ」として再登録し直しました。
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スジ雄(Enneapterygius sp.9)
前に
「このまま不明種が増え続けても、何の進展もないので明らかに似た種類をひとまとめにしようと思う」
と言いましたが、その第1弾です♪
以下の石垣島で撮影された写真の子ですが、これはdivemanさんによると、沖縄ではごくごく普通に見られるヘビギンポだそうです。
瀬能さんいわく、スジオヘビギンポの可能性があるとの事ですが、ひとまず明確に写真から同定ができるようになるまで、また普通種であるならその観察が進んで自信をもってスジオヘビギンポ!と言えるまで「スジ雄(Enneapterygius sp.9)」としたいと思います。(笑)
もう少し、この「スジ雄」の写真が見たいなぁ~
どなたか沖縄方面に潜りに行く予定の方、このヘビギンポを片っ端から撮ってきてくださ~い!
ちなみに「スジ雄(Enneapterygius sp.9)」の定義は、
沖縄の-10m前後の水域でごくごく普通に見られる赤っぽいヘビギンポ
の事です。
よろしく~!!!
2006年02月18日
2006年02月16日
「頭テンテン」の婚姻色♪
薩南諸島以南に分布する通称「頭テンテン」の婚姻色が分りました!
下左写真の子がそれです。
これが完全婚姻色なのかは分りませんが、こいつも顔の下部が黒くなるパターンですね♪(笑)
完全な婚姻色はもっと体も赤くなるのでは?と予想していますが、どうでしょう。。。?
この個体の婚姻色直前は下左写真のような感じでした。
黒くなる部分に黒い色素の点々が見られます。
さらにこいつは産卵をしていました。。。
で、メスが分ったわけですが、それが下右写真の子です。
オスメスの見分けは水中ではかなり難しいかも。。。
産卵時のデータです。
産卵日:2006/02/15
時間:12:30pmごろ
水深:-3m
水温:19.8℃
海況:わりと穏やか
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2006年01月31日
西伊豆のお洒落ヘビ
前にどーらさんより投稿のあった西伊豆のお洒落ヘビ似のヘビギンポですが、これも僕の独断と偏見により「お洒落ヘビ」として登録し直しました。
[次の3枚]
⇒ヘビベース!: お洒落ヘビ
⇒ヘビベース!: お洒落ヘビ
⇒ヘビベース!: お洒落ヘビ
あれから「お洒落ヘビ」を何回も見て、かなり目が慣れました。
どーらさんの西伊豆で撮影した4枚は、おそらく「お洒落ヘビ」で間違えないと思います。
今のところの分布は屋久島、伊豆大島、西伊豆です。
こいつはどちらかと言うと温帯種である可能性が強いと考えています。
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クサギンポ
少し前にこの掲示板にどーらさんより投稿された謎のヘビギンポがいましたが(⇒ヘビベース!: クサギンポ)、このどーらさんからの3枚の写真をクサギンポとして登録し直しました。
クサギンポは、これに僕が撮った1枚を加え計4枚になります。
クサギンポの生息環境は-1m~-2m程度のタイドプールや穏やかなビーチなどで、短い毛足の海藻が薄っすらと生えた堅い岩盤の上に多いです。
環境が環境なだけに、なかなかダイバーには会う機会のないヘビギンポかもしれません。
しかしただ単に人目に触れていないだけで、生息数は割と多そうです。
胸鰭の黒と白の斑点などが識別点となります。
みなさんも各地で探してみてくれませんか?
分布が知りたいです。
特記:
Enneapterygius minutusは、Fricke(1997)によると、Enneapterygius philippinusのシノニムらしい。。。
ちょっとこの辺は僕にはよく分らない。。。(笑)
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- [ クサギンポ ]
2006年01月26日
2005年12月30日
初のセラトブレグマ属のヘビギンポ♪
お久し振りです!
石垣島のdivemanさんより「セラトブレグマ属未同定種」のお写真を頂きました~♪
初のセラトブレグマ属のヘビギンポです!
嬉しい~
↓
これはDIVING PhotographyNo.17の中本さんの写真のヘビギンポと同じ種類のようです。
屋久島でも見つけるぞぉ~!!
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- [ セラトブレグマ属未同定種 ]
2005年09月05日
ようやくキビレヘビギンポが新種記載♪
管理人のしげるです。
何か新しいサイトになってから書き込みが少ないですねぇ~(笑)
管理人の僕が盛り上げていきたいのですが、忙しくてなかなか。。。
さて、ようやくキビレヘビギンポが新種記載されましたね~!\(^○^)/
aqua誌の6月号(Vol.10(1))に発表されています。(ISSN:0945-9871)
ぜひ見てくださいませ。。。
次は赤ヘビかな。。。?(笑)
ファイル(Enneapterygius_senoui.lzh)をダウンロード
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- [ キビレヘビギンポ ]
2005年04月12日
2005年04月01日
頭テンテン
今日、ゲストの方から奄美大島産の「頭テンテン」の画像3枚が登録されました。
(Kさ~ん!ユーザー登録してくださいよぉ~!(笑))
この「頭テンテン」なのですが、"REEF FISH Identification"に載っているPALE-SPOTTED TRIPLEFINに似ている気がするのですが、どう思いますか?
日本での生息も記載されているし。。。
現在、
頭テンテン(Enneapterygius sp.7)
としていますが、
頭テンテン(Enneapterygius pallidoserialis)
としても問題ないと思いますか。。。?
早まり過ぎかな?(笑)
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- [ 頭テンテン ]